このピアノにしてこの作曲家あり

フランスの老舗ピアノメーカー「プレイエル」が年内に閉鎖しピアノ生産から撤退する方針を決めたそうです。

プレイエルのピアノは、ショパンが愛したことで知られています。

プレイエル・ピアノの特徴として、音色が美しく「シンギングトーン」と呼ばれる歌声のような伸びのある響き、そして高音にいくほど音量が小さいという点が上げられます。

 

ショパンの楽譜は高音域へいくに伴ってクレッシェンドが書かれている事がよくありますが、これは音を大きくするという意味ではなくプレイエルのピアノを弾く前提で高音域に移行しても同じボリュームを保つためにクレッシェンドで弾く、と言う意味なんだそうです。

プレイエル・ピアノの繊細でやわらかく澄んだ音色が、ショパンのあの美しい旋律にぴったりです。

数々の名曲も、このピアノあってこそですね。

 

そして、プレイエル社と並びフランスで有名なメーカーが「エラール社」です。

音量のあるエラール社のピアノは、リストが好んで弾いていたことで知られています。

エラール社が開発した「ダブル・エスケープメント・アクション」の機構(グランドピアノで連打を可能にする仕組み)により素早い連打が可能になり、それによりリストが「ラ・カンパネラ」を改訂したと言われています。

リストの技巧的作品も、このピアノあってこそなのでは・・・。